5/5 PRIDE 大阪ドーム興行(PPV) 簡易観戦記

Mask_Takakura2006-05-05

真っ白なリングで心機一転!

本日は龍頭亭にてPRIDEのPPV観戦。観戦参加者は…家主・龍頭さん、frigidstarさん(id:frigidstar)、saint_kさん(id:the_saintK)、gryphonさん(id:gryphon)、某っちさん、タカハシさん(http://blog.livedoor.jp/hardcore_heaven/)の計7名という大所帯。
本日の「おみや」はチバラギ限定「GEORGIA/MAX COFFEE」。一部では激甘で有名なコーヒーなのだが、龍頭亭の面々は平気な顔して飲み干し、gryphonさんに至っては「美味しいですね」と言い出す始末。どうやらこいつらには渋谷で売っているあのハンバーガーをお見舞いする必要がありそうだな。

渋谷で売られている「ハンバーガー」という名の最終兵器。特にポテトには「やられる」ぞ。

http://www.mamido.jp/site/index.htm


で、今回のタイトルは…、リングを見てfrigidstarさんがボソッと言っていた「リングが白くなったなぁ」というセリフを膨らませてみた。確かにあれだけリングに彩られていた「スポンサーのロゴ」が綺麗に消えていた。言わずもがな「週刊現代」のバッシングの影響なわけだが、バッシクング開始当時は比較的大人しかったDSEがここに来て反撃を開始したのはこの辺の事が原因なのだろう。イヤイヤ「団体が黒ければ黒いほど、リングの色は白くなる」というか。

第一試合 あっさり決着

無差別級 10分1R + 5分2R
ローマン・ゼンツォフ(185cm/101.0kg/ロシア/レッドデビル)
ギルバート・アイブル(187cm/104.0kg/オランダ/ボスジム)
[1R 4分55秒 KO]
※左フック

戦前の予想

ゼンツォフが1Rにグラウンドパンチで勝利。試合にブランクのあるアイブルが、ベストコンディションを保っている訳がないのでコレで。フィニッシュは、スタンドパンチが入った後で、崩れたアイブルに数発…ってイメージで。

試合の感想

まあ展開としては予想通り。左フックがヒットした後でグラウンドパンチを一発入れているし、僕の予想はバッチリなんじゃないの?と自画自賛
それにしてもゼンツォフは強いね。トーナメントに出ていても違和感がない、というか。…っていうか、アイブルが弱いのか。ま、試合が決まったのも遅かったし、急なオファーだったんだろうなぁ。最近は総合でまったく通用しなくなっているアイブルだけど、ボスジム所属ならビッグガイ路線のK-1で頑張るのも手じゃないのかなぁ?

第二試合 選手のガス欠、その1

PRIDE無差別級GP 一回戦 10分1R + 5分2R
ファブリシオ・ヴェウドゥム(193cm/108.0kg/ブラジル/チーム クロコップ)
アリスター・オーフレイム(195cm/103.2kg/オランダ/ゴールデン グローリー)
[2R 3分43秒 アームロック]

戦前の予想

ヴェウドゥムが1Rに腕十字で勝利。ヴェウドゥムは本当の実力が今一つ判らないのだが弱いとは思わない。ましてや柔術の選手、オーフレイムのフロントチョークを喰らう事もないだろう。で、ヴェウドゥムが打撃に耐えた末、オーフレイムが5分過ぎたあたりでガス欠を起こし、そこをゆっくりと腕十字…という感じで。だけどオーフレイムも強いからなぁ…どうなることやら。

試合の感想

この試合は予想が難しかっただけに、勝者が当たっていただけでも一安心。…とはいえガス欠がなければヴェウドゥムはかなり危なかったように思う。途中、実況の中で「本来、オーフレイムはこの体重が適正」って話が出た時には「まさか、今回は5分経過後のスタミナ切れがないんじゃないか?」と心配になったが…、今回のガス欠は1Rの8分経過したあたりだったかな?ま、ヴェウドゥムも疲れれたからちょっと焦ったけど。
最後は上になって動けないオーフレイムに対して、下からアームロックを仕掛けて一本。キッチリ決めるあたりはさすが、というか。

第三試合 高阪剛の最後の執念、勝利に届かず

PRIDE無差別級GP 一回戦 10分1R + 5分2R
マーク・ハント(178cm/130.4kg/ニュージーランド/オシアナ スーパーファイタージム)
高阪剛(181cm/99.4kg/チーム アライアンス)
[2R 4分15秒 KO]
※右フック

戦前の予想

ハントが1Rにグラウンドパンチで勝利。「高阪の顔面にパンチが入って崩れる」「タックルに来た高阪のタックルを切る」、いずれにせよ倒れたところにパンチが入ってハントが勝利、という予想。

試合の感想

凄いなぁ高阪。「蝋燭は最後に一瞬、大きく燃える」というが、高阪は最後の最後まで本当に魂を燃やしていた。覚悟を決めたあの鋭い目つきには大いに惹き込まれたなぁ。打撃で真っ向勝負する高阪、クリーンヒットも多かった。長い間、打撃が弱点の一つだった高阪だけど、マリオ・スペーヒー戦での「一発」がフロックでない事を引退試合で証明したのは何とも皮肉な話。こんな試合を見せられたら、もっと「新しい高阪」の試合を見たくなっちゃうよ…。まあ、今は「お疲れ様でした。感動をありがとう。」の言葉を贈りたい。
対する「名勝負製造機」ハント、この試合でも左のフリッカー&右のストレートが冴え渡っていた。この人、スタミナに難があるから後半は「のらりくらり」しちゃうけど、基本的な闘い方は一貫しているんだよなぁ。自分の勝ち方を持っている、というか。タックルも切れるようになってきたし、これは自分より軽い選手を相手にしているうちはかなり強そうだな。逆にズールとか相手にするとコロッといっちゃいそうだけどね。
それにしても、これだけ魂を見せ付けられながらも、ハントにボコられる高阪を見て「保身・吉田に加担する高阪は、そのまま死ね!」を連呼できる某っちさんは…、別な意味で凄いな(笑)。

第四試合 選手のガス欠、その2

PRIDE無差別級GP 一回戦 10分1R + 5分2R
ジョシュ・バーネット(191cm/111.0kg/アメリカ/AMCパンクレイション/パンクラス無差別級王者)
エメリヤーエンコ・アレキサンダー(198cm/116.0kg/ロシア/レッドデビル)
[2R 1分57秒 V1アームロック]

戦前の予想

バーネットが判定勝利。ズルズルと試合が進み、何となく試合を押していたバーネットが何となく勝利…という泥試合の展開を予想。

試合の感想

序盤のアレキサンダーが全くの別人でビックリ。左のフリッカーのスピードの速さがハンパでなく、「こりゃバーネットはダメかな?」と思わせたが、同時に「飛ばし過ぎだな」って気がした。で、案の定、後半はバテバテ。1Rが10分もあるPRIDEの場合、あんなに打撃を振り回したらスタミナ切れは必然、というか。
それにしてもジョシュ、お腹に肉を残していながらも、あのパンチのスピードによくついていっていたと思う。そしてアレキサンダーが攻め疲れたところにボディブローの連打。これは打撃好きにはたまらないシーンだった、というか。最後は新日本プロレスファン感涙モノのV1アームロック。心の折れたアレキサンダーがあっさりタップ。イヤイヤ正直、実力を過小評価してました。ゴメンネ、ジョシュ。
内容的には今日、一番充実していた試合でした。感動では「ハント vs 高阪」が上だけどね。

第五試合 選手のガス欠、その3

PRIDE無差別級GP 一回戦 10分1R + 5分2R
藤田和之(183cm/107.0kg/フリー)
ジェームス・トンプソン(196cm/126.0kg/イギリス/チーム トロージャン)
[1R 8分25秒 KO]
※右フック

戦前の予想

トンプソンが1R、スタンドパンチで勝利。しばらく試合をしていない藤田が勝利するとは思えない。トンプソン得意の「ゴング&ダッシュ」から振り回したパンチがテンプルに入ってKO勝利、という展開を予想。

試合の感想

序盤のトンプソンが全くの別人でビックリ。藤田に「来い!」と挑発、慎重に試合を運びながら藤田の攻めを完封していく「ライツアウト戦法」で「こりゃ藤田はダメだな」と思わせたが…、試合時間が経過して見事にガス欠。集中力を欠いたところに藤田のワンツーがクリーンヒット。あとはサンドバック状態、逆にあれだけバカバカと連打を喰らっていたのによく立っていられたなぁ、というか。
対する藤田だが、予想通り試合勘を取り戻すのに苦労していたように見えた。今日はなんとか勝利を得た藤田だが…。総合格闘技の闘い方が「スタンド中心」した今の時代、その過度期に試合をこなしていない藤田には「この先、勝ち目なし」と思っている。トンプソンにタックルを切られる姿を見ると…、失った時間はあまりにも長すぎた。2002/12/31のミルコ戦から進歩していない、というか。

第六試合 あっさり決着、その1

PRIDE無差別級GP 一回戦 10分1R + 5分2R
ミルコ・クロコップ(188cm/102.0kg/クロアチア/チーム クロコップ)
美濃輪育久(175cm/89.0kg/フリー)
[1R 1分10秒 KO]
※グラウンドパンチ

戦前の予想

ミルコップがミドルキックで1Rに勝利。美濃輪のガードはいつも高いし、ミルコップを相手にハイキックを警戒しない人はいないので、ミドルキックで決着がつくだろう…と。

試合の感想

当たり前の決着のつき方で印象に残らん。
そんな事より、ミルコップのやる気ない表情の方が気になった。戦前に報道された「対戦相手が美濃輪と知った時、『俺はDSEにそんなに心配されているのか…』と落胆したという」という話は本当だったんだな。
正直、この試合はその試合内容よりも煽り映像の方がグッと来たなぁ。名文と言われている「美濃輪が中学卒業文集に寄せた文」を上手く使用した映像にはかなり惹き込まれた。それだけに、あっさり決着ついた事が残念でならない。格闘技は残酷な世界だ。

第七試合 あっさり決着、その2

PRIDE無差別級GP 一回戦 10分1R + 5分2R
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(191cm/109.0kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
●ズール(200cm/185.0kg/ブラジル/B-TOUGH)
[1R 2分17秒 腕十字固め]

戦前の予想

ノゲイラが1Rにスタンドパンチで勝利。試合の構図自体は「ノゲイラ vs サップ」の再現なのだが、あの時とは違いボクシング・テクニックを磨いた今のノゲイラには、巨漢が取り得で他に特徴のないズールは「組みし易し」なのではないか?

試合の感想

当たり前の決着のつき方で印象に残らん。
ノゲイラのタックルが通用してしまった時点で「ノゲイラ vs サップ」の再現には絶対に成り得ない、というか。これでズールは完全に実力を晒してしまったなぁ…、もっと凄い怪物だと思っていたんだが。
そりゃそうと、ズール父って引退扱いになっているけど、還暦に近い年齢であるにも関わらずまだ試合してるって噂もあるよね。どうなんだろ?

第八試合 あっさり決着、その3

PRIDE無差別級GP 一回戦 10分1R + 5分2R
吉田秀彦(180cm/104.0kg/吉田道場)
西島洋介(180cm/90.0kg/高田道場)
[1R 2分33秒 三角絞め]

戦前の予想

吉田が1Rに腕十字で勝利。吉田は「打撃で闘いたい」とは言っているが…、魅せる意識なんて皆無の吉田がソレをするとは思えんし。フィニッシュを「袖車」としなかったのは、胴着を脱いだ場合に備えての事。

試合の感想

当たり前の決着のつき方で印象に残らん。
吉田、大人げなさすぎ。僕が思っている以上に魅せる意識なんて皆無だった、というか。ま、下からの三角絞めは予想できなかったけど。
吉田がこういう試合をしたせいで、逆にハントがいかに「名勝負製造機」であるかが良くわかった。そのハントに吉田が勝利している事実が気に食わないなぁ。

雑感

全体的には低調だったように思う。前半はスタミナ切れの連続、後半は当たり前の結果。いくら全試合がKO決着だとしても、これではなぁ…。特に後半三試合の内容はキツかったね。一方的な展開、緊張感皆無の試合内容、三試合の合計が6分という短い時間。「印象に残せ!」という方が無理な話、というか。
そんな中、高阪の魂とジョシュの勝ちっぷりは非常に印象に残ったなぁ。特に高阪は引退に合わせて「アホほど練習した」というのが素直に伝わってくるパフォーマンスを披露、「覚悟を決めた男の魂」というものを格闘技の中で初めて見た。安易に引退を口にする選手は高阪の爪を煎じて飲んでほしいね。


ま、新庄の引退だけは別か(笑)。


以上、長文失礼。