3/15 HERO’S 日本武道館興行(地上波) 簡易観戦記

ヒーロー達が集結よっ、キャーッ!!

今、出ている選手が一気にスターになれる舞台は「K-1 MAX」と、この「HERO'S」だと思われる。こういう舞台を創れるFEGが凄いのか、それとも何でもシリアスにしてしまうTBSの映像が凄いのか?ま、この場合は広告代理店の仕事が凄いって事なのだろうが。

今日の興行にはエースである山本 "KID" 徳郁こそ出場しないものの…、宇野 薫、須藤 元気、所 英男という「HERO'S」がPushしている面々が登場。カードを見る限りは「格下や未経験者を相手に存在感をアピールする場」、つまり「顔見せ」の色合いが強いと思われる。興行としてはまだまだスタートして間もない「HERO'S」、まだまだ土台の組み上げ段階、といったところか。

それにしても女性の多い会場だな。明らかに他の会場とは一線を画している、というか。この会場の一割だけでも後楽園の興行に来たら、僕みたいな生物はいる場所がない、というか。

オープニングファイト第一試合 ところでPANCRASEって何?キャーッ!!

75kg契約 5分2R + 延長5分1R
○アントニオ マッキー(アメリカ/チーム ロード オブ ザ リング)
●國奥 麒樹真(フリー)
[判定 3−0]

ス…スポナビの速報もないじゃないか…(涙)。
で、記憶喪失のせいかこの試合を見た覚えがない。そりゃそうと國奥はHERO'S三連敗。元PANCRASE王者に世間の水は辛いのか?

第一試合 「入場は大物級」の大山さんが何もできなかったわっ、キャーッ!!

90kg契約 5分2R + 延長5分1R
メルビン マンホーフ(オランダ/ショータイム)
●大山 峻護(フリー)
[1R 2分51秒 TKO]
※顔面のカット

その入場曲(Age of Asia)にはいつも感情移入させられて、その悲壮感漂う入場姿にも心を動かされて、そしてその期待をいつも裏切られる大山なのだが、今回も御多分に洩れず一方的に殴られまくっていた。ま、マンホーフの名は覚えておこう。

第二試合 とこでKing of the Cageって何?キャーッ!!

契約体重なし 5分2R + 延長5分1R
○ジェロム レ バンナ(190cm/121kg/フランス/レ バンナ Xトリームチーム)
●ジミー アンブリッツ(183cm/141.5kg/アメリカ/トッド メディーナ フリースタイル ファイトチーム)
[1R 2分4秒 KO]
※右ストレート

http://www.sherdog.com/fightfinder/sherdogsfightpics.cfm?matchId=8118
この写真を見て以来、僕は「アンブリッツ最強幻想」という十字架を背負って生きている。たとえ彼の今日の戦略が「突進」と「上から殴る」ことしかなくても、たとえこの日右ストレート一発で失神したとしても、僕はその十字架を背負って生きていくだろう。
で、ジェロムは得意の左ストレート…、じゃなくて右ストレートでフィニッシュ。鉄板の入っている左はもうダメなのかねぇ?

第三試合 宮田さんが「所さんに勝った男」に完勝よっ、キャーッ!!

70kg契約 5分2R + 延長5分1R
○宮田 和幸(172cm/69.8kg/フリー)
●エリカス ペトライティス(169cm/69.3kg/リトアニア/リングス リトアニア)
[1R 3分59秒 腕十字固め]

見たはずなのに記憶に薄いのは、宮田が何の危ない気もなく腕十字で勝利した事と無関係ではない。宮田は恐らく僕が思っているより強いと思う…という認識は持ったものの、この試合はそれ以上にペトライティスが実力を出せなかったのだろう。所に勝った時の勢いが見れるかと思ったが、まあZSTルールとHERO'Sルールは違うしね。

第四試合 宇野さんが煮え切らない試合内容ながらも完勝よっ、キャーッ!!

70kg契約 5分2R + 延長5分1R
○宇野 薫(172cm/69.8kg/和術慧舟會東京本部)
●リッチ クレメンティ(175cm/70.0kg/アメリカ/チーム ブードゥー)
[判定 3−0]
クレメンティは前日の再計量で0.3kgオーバーしたため減点1

今日は上になってからの決め手に欠けた。宇野の試合の内容としては今一つ…なのだが、こんな展開でも黄色い声援が止まないのだから「HERO'Sマジックは恐るべし」だ。この勢いは宇野が何をしても止まる事はなさそうだ。歌なんか歌った日には失神者がでるんじゃないだろうか?…でねぇよ。

第五試合 PRIDEの(昔の)トップスターがHERO'Sで決戦よっ、キャーッ!!

契約体重なし 5分2R + 延長5分1R
○ヒース ヒーリング(184cm/120.5kg/アメリカ/ゴールデン グローリー)
ゲーリー グッドリッジ(186cm/112.3kg/トリニダード トバゴ/フリー)
[2R 1分55秒 KO]
※右ストレート

またまた記憶に残っていないのだが、試合自体はゲーリーが押していた、と聞く。一発逆転でヒーリングが勝ったそうだが、そこにはかつてPRIDEの実力者として親しまれた姿はあったのか?まあ、伝聞だけでは「ない」としか言いようがないわけだが。

第六試合 ところでIWGPって何?キャーッ!!

88kg契約 5分2R + 延長5分1R
○秋山 成勲(177cm/87.2kg/フリー)
●石澤 常光(181cm/87.3kg/TEAM JAPAN)
[2R 1分41秒 袖車]

最近はプロレスもしていない石澤だが、代役とはいえヒョイっとこういう舞台に立てるのは「らしい」ね。だが石澤がこの一戦で落とした商品価値って地味に大きい気がする。ここまで歯が立たないまま敗北って初めてだろ。…とはいえプロレスもロクにやっていない現状を考えれば価値もヘッタクレもないのかな?しかしまあ、ここまでタックルが通用しないとは…。
秋山、フィニッシュの大外刈り〜袖車までの流れは鮮やかだったが、逆にいうとそれだけ。失礼ながらこの人の場合、どうしても「柔道」という道から逃げた人という印象が残ってしまう。

第七試合 ところでRINGSって何?キャーッ!!

契約体重なし 5分2R + 延長5分1R
○キム ミンス(186cm/115.2kg/韓国/リングス コリア)
●山本 宜久(190cm/103.2kg/フリー)
[2R 1分32秒 チョークスリーパー]

全く記憶にないし、あんまり興味もない。強いて言うなら「ガンバレヤマヨシ」。

第八試合 須藤さんが派手に狙い過ぎて苦戦よっ、キャーッ!!

特別ルール 72kg契約 5分2R + 延長5分1R
○須藤 元気(175cm/71.9kg/ビバリーヒル柔術クラブ)
●オーレ ローセン(177cm/71.8kg/デンマーク/Untamed/IMTC世界Sウェルター級王者)
[延長判定 3−0]
※本戦判定 0−0

須藤の入場は凝っていた。ダンスは素晴らしい内容で今までの中では一番好き。キョンシー達がポップやタットを入れていたのがカッコ良かった。
だが試合では大苦戦、反対に言えばキック界では知られた名前のローセンが健闘したという事だな。須藤は1Rにあまりに派手な一本を狙いすぎるあまりに極めそこねたのが痛い。2Rの大真面目モードでも倒せず、逆にローセンが「ジャンピングの踏み付け&グラウンドパンチ」を連発。延長R終盤、猪木アリ状態からの即ブレイクで須藤が助けられた場面があったが、それがなければ2Rと同じ「ジャンピングの踏み付け&グラウンドパンチ」でローセンが勝っていたかもね。

第九試合 所さんが大人気なく完勝よっ、キャーッ!!

72kg契約 5分2R + 延長5分1R
○所 英男(170cm/68.3kg/リバーサルジム)
●池田 祥規(172cm/70.7kg/極真会館)
[1R 49秒 三角絞め]

あまりにもあっという間で特に感想を持てない。それにしても所は人気者だな。最後のマイクは「ZSTから来た所です!」。ちなみにZSTTBSラジオが協賛。何でラジオが?

雑感、キャーッ!!

順当といえば、これ以上の順当さのない結果となってしまったこの興行。格闘技の会場には似つかわしくないファンの嬌声ばかりが耳に残り、肝心な試合ぶりが殆ど思い出せない、というか。
…と書いていて「実はこの興行の狙いはそこにあるんじゃないのか?」という気がしてきた。そもそも最初に書いた通り「顔見せ」が目的だとしたら、選手の名前とファンの声ばかりが頭に残っているこの状態は…、つまり「HERO'Sには『ヒーロー』が沢山いるぞ!」という状態だ。マニアはともかく、20:00 〜 22:00というゴールデンタイムにこのインパクトを残せたのはTV的には大成功な気がするな。


以上、長文失礼、キャーッ!!


それにしてもキャーキャーとまあ、うるせえ会場だな。