5/9 ボクシング 内藤復帰戦 後楽園ホール興行 観戦記

歳を取ると、何をするにしても若い頃よりエネルギーを大量消費するんだよなぁ

亀田興毅に敗れ、世界王者から転落した内藤大助。あれから約半年、内藤は今、再び立ち上がる!


…っていうか、正直「よく復帰したよなぁ…」というのが素直な感想。遅咲きのチャンピオンである内藤、その年齢は35歳。これから再び世界戦に挑むにはいささか歳を取り過ぎている印象がある。それでも、WBCが提示してきた「『亀田興毅vsポンサクレック・ウォンジョンカム』の勝者は、次戦は宮田ジム所属の選手と対戦すること」という義務が存在する以上、内藤にはまだ世界王座を掴むチャンスがあるのだ。五度目のポンサクレックに向けて内藤は今日、再起戦に挑む。…う〜ん、ボクシングの道は厳しいのぉ。

試合は完勝だけど、何故かちょっと苦戦した印象があるなぁ

ボクシング スーパーフライ級 3分10R
内藤大助(163cm/52.1kg/宮田ジム/前WBC世界フライ級 王者・同級 現四位)
●リエンペット・ソー・ウィラポン(157cm/52.0kg/タイ)
[5R 2分12秒 TKO]
※パンチ連打

内藤の対戦相手はタイ出身のリエンペット・ソー・ウィラポン。物凄く小柄な選手なので「階級が下なのかな?」と思って調べてみたら、ミニマム級から階級を上げた選手らしい。ああ、それなら内藤はキッチリ勝たなきゃイカンな。


1R、プレッシャーを掛けながら前に出る内藤に対して、リエンペットは左ジャブで牽制しつつ右ストレートを繰り出す。内藤はダッキングでかわしながら、遠距離から右ストレート。終盤、内藤は大きな右フックを連打して攻勢に出る。このラウンドは内藤が獲ったかな。

2R、リエンペットが左ジャブを連発して牽制するのに対し、内藤は得意の遠距離からの左右のフックで応戦。リエンペットも遠距離から左フックを返していく。中盤、リエンペットは内藤の左フックに対して、右のストレートを後頭部に入れる。これには内藤も苦笑い。この後、前に出る内藤に対してリエンペットの左がチョコチョコとヒット。内藤は左ボディやワンツー返すも、このラウンドはリエンペットが獲っただろう。

3R、内藤は左右のパンチでプレッシャーを掛けるも、リエンペットも飛び込んで応戦。内藤は距離をとりつつフックを放ち、左ボディを入れていく。リエンペットも左ボディを返したが、内藤は中盤に左フックをハードヒットさせると、終盤には左のショートストレート、右ショートフックや右ストレートをヒットさせる。他にも右アッパーを出すなど、いよいよ内藤が攻める。このラウンドは内藤だと思うが、ラウンド終了直前にバッティングが発生したのが気になる。

4R、バッティングにより左目尻をザックリと切った内藤だが、ここが勝負と見ると積極的にワンツーを繰り出して攻め込む。対するリエンペットはカウンターを狙う作戦だが、内藤はこれを警戒しつつ遠距離から右ストレートを伸ばす。中盤、内藤の右ボディを叩き込むと、終盤は前に出て右ボディを連打。これが効いて来たリエンペットは逆に意地になってパンチを連打。ここでバッティング発生し、内藤の傷が深くなる


5R、4R終盤から勢いを増した内藤は遠距離からワンツーを繰り出しつつ前に出る。ガードを固めるリエンペットに対して、左フックを何度もヒットさせる内藤。中盤、内藤カウンターの右ストレートヒット。棒立ちになったリエンペットに対して内藤が大振りなパンチを連打してラッシュを仕掛けると、右ストレートを叩き込んでダウンを奪う。

立ち上がったリエンペットだが、ダメージは残っている様子。勝負処と見た内藤は再び左右のフックによるラッシュを仕掛け、今度は右ボディでダウンを奪う。それでも立ち上がったリエンペットに観客からは拍手が起きたが、内藤は右ボディ〜左フック。モロに喰らったリエンペットの様子を見たレフェリーが試合を止めた。


勝った内藤はマイクで、お昼の興行であるにも関わらず後楽園ホールに来てくれた観客に感謝の言葉を述べると、今回の復帰に関して親に怒られたことや、第二子が生まれたことを朴訥とした言葉で語ると、次戦については「じっくり考えます…。とりあえず、ゆっくり休むわ(観客爆笑)」と慎重な姿勢を見せていた。う〜ん、インタビューだけ聞いていると、とてもこの人は元世界王者だという風には見えないのだが…(苦笑)。

雑感

う〜ん、なんか「圧勝しなきゃいけない相手に、圧勝はできなかったけどキッチリと勝った」って感じかなぁ。コンディションをバッチリと調整してはいなかったのか、序盤は動きが堅かったように思えるし、随所に内藤らしい変則的なフェイントは入っていたものの、大胆な攻撃は最後まで出なかった感じ。まぁ、復帰戦なんてこんなモンなのかもね。ただ、今のままだと五度目のポンサクレック戦は厳しそうな気がするなぁ…。


以上、お目汚し失礼。