12/27 DEEP 大森ゴールドジム興行 備忘録的観戦記 ver1.0

この観戦記は手を抜いて書いております

本日はどらちゃさん(http://dorastruggle.blog82.fc2.com/ 以下、どらちゃん)のお誘いで、大森ゴールドジムでDEEPのフューチャーキングトーナメント2009を観戦。


DEEPの「明日のエース」を決めるべく、毎年開催されるフューチャーキングトーナメント。今年はバンタム級フェザー級、ライト級、ウェルター級、ミドル級の五階級のトーナメントが1Dayで行われる。最近は総合格闘技の観戦機会が減っていた僕は、どらちゃんの誘われるがままにこれを観戦したのだが…。


この興行は「五階級の王者を一日で決めよう!」としているので、試合数は全三十試合というトンでもない数になってしまっている。というワケで、今日はそのすべての試合を克明に記録していこう…という気はまるでなく、GBRを参照しながら各階級の決勝戦だけを記述していこうと思う。今回は観戦記というよりは、備忘録としての意味合いが強いのだ。決勝戦しか書かないのも「GBRの記事が決勝戦のみだから」だしね(苦笑)。

今回参照したGBRのページ

http://gbring.com/sokuho/result/result2009_12/1227_deep.htm


チケットを購入、2500円。正直、僕は興行開始から一時間後に会場に到着しているから、かなりの数の試合を観戦していないんだけど…、それでも結構な数の試合を観戦したらからなぁ。それでこの値段は安いと思う。

第二十六試合 「華」があります

ライト級(70.3kg) 決勝戦 5分2R
加藤友弥(BONDS)
●西方清信(KOcombat)
[1R 2分26秒 TKO]
※スタンドでのパンチ連打

THE OUTSIDERでは「暴力大魔王」の異名で活躍する加藤友弥は打撃を得意としており、一回戦では大橋省吾(吉田道場)を右アッパーでKO、準決勝戦でも江上剛(パラエストラ松戸)をグラウンドパンチで下している。精悍なルックス、厚みのある身体つき、その佇まいは直ぐにでもプロで通用しそうだが、全身に彫られたタトゥーが地上波で放送して良いかは微妙なところ。


そんな加藤は決勝戦で、西方清信と壮絶な打ち合いを繰り広げた。最初にいいのを貰ったのは加藤の方で、西方の左フックを喰らって体勢を崩し、グラウンドでバックを取られてしまう。だが加藤はブリッジを効かせてリバースに成功、得意のスタンドに戻す。そして追撃してきた西方を首相撲に捕えて、ボディへ膝蹴りを一閃。この一発で形勢は逆転、苦しむ西方をロープ際へ押し込むと、一気に左右のパンチでラッシュを仕掛けた。防御ができずに次々にパンチを浴びる西方、この様子を見たレフェリーが試合を止めた。



なかなか派手な展開だったなぁ。最後のラッシュの入り方は『場慣れ』している感じがする。グラウンドには危うさも感じるけれど、自分の勝ちパターンに嵌れば恐ろしい強さを発揮するタイプに見えるなぁ。身体に彫られた紋々はともかく、非常に見栄えのいい選手なので、これからはDEEPの本戦でチョコチョコ観掛ける事になりそうだなぁ。



第二十七試合 「ポジショニング力」があります

ウェルター級(77.1kg) 決勝戦 5分2R
○植田豊(GRABAKA)
●大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ)
[2R 47秒 腕ひしぎ膝十字]

打撃系ジムのKIBA所属の大原樹里は、まだ幼さが残る顔立ちながらも髪の一部を赤く染めたオシャレさんで、小さな大会であるにも関わらず女性応援団から黄色い声援が飛んでいた。そんなルックスとは裏腹に、一回戦では野本一喜(空手道禅道会小金井道場)を、準決勝では橋本郁弥(キングダムエルガイツ)を打撃でKOしている実力者でもある。

対する寝技系ジムのGRABAKA所属の植田豊も、キリッと端正な顔立ちをした二枚目で、一回戦では土屋彬充(本間道場)をアームバーで下し、準決勝では金森道(フリー)から三角絞めで一本勝ちを上げて決勝を迎えていた。

こうしてウェルター級は「打撃&ハニーフェイスの大原」vs「寝技&ハンサムの植田」という、奥様ウットリなイケメン対決となった。


1R、まず仕掛けたのは植田。タックルで自分の領分へと持ち込もうとするも、これは大原が下がって警戒。だが植田は構わずにもう一度タックルを敢行、今度はテイクダウンを奪う。逃れようと大原は立ち上がるも、植田はバックを奪って腿へ膝蹴りを放ち、正面から足を掛けてテイクダウンを奪い直す。

グラウンドで上からパンチを落としたい植田、しかし大原は下からの蹴り上げで抵抗。手を焼く植田だが、大原が立ち上がるタイミングで再びバックを奪って背中に飛び付き、スタンドのままスリーパーを狙いつつパンチを入れる。植田を背負いつつコーナーにもたれた大原は、ここで体勢を入れ替えてパンチを放って脱出。う〜ん、中々めまぐるしいねぇ。

試合は再び両者スタンド、植田はまたしても胴タックルを仕掛けてテイクダウンを奪い、袈裟固めの体勢から足を使っての腕十字を狙う。これは大原がスタンドに逃れるも、植田はしつこく胴タックルで大原を倒す。サイドからバックを奪いパンチを入れる植田に対して、大原はスタンドを経て逆に植田の上になる。

千載一遇のチャンスを得た大原は、ここぞとばかりに上からパンチを連打。嫌がる植田が背中を見せると、今度はバックマウントからパンチを連打…というとこで1Rは終了。う〜む、最後こそ大原が優勢だったが、全体的には植田優勢だな。



2R、タックルを仕掛けてテイクダウンを奪ったのは植田だが、大原は立ち上がると、尚もスタンドでバックをとる植田を倒してグラウンドで上になる。グラウンドでバックを奪った大原、だが植田は体勢を反転して上になると、袈裟の体勢から足を使っての腕十字。1Rにも見せた技だったが、今度はガッチリと極まって大原がタップ。おお、珍しい技が極まったなぁ。



ふ〜む、植田のポジション取りの巧さは、いかにもGRABAKAという感じだったなぁ。極めるまでに時間が掛かっちゃったのもGRABAKAらしい…と言うと皮肉になるけど、最後はキッチリと極めたし、これでトーナメントはオール一本勝ちなのだから、文句をつけちゃあ野暮になる。見た目もカッコ良いし、来年はDEEPに何度も出てくる事になりそうな気がするね。更なる活躍を期待しよう。




第二十八試合 「際の強さ」があります

ミドル級(83.9kg)決勝戦 5分2R
○染谷章太(ポゴナクラブ)
●上田健人(スマッシュ)
[1R 1分4秒 腕十字固め]

正直、他の階級と比べると印象が薄いミドル級。それもそのはず、他の階級と比べて圧倒的に層が薄いミドル級は四人制のトーナメントとなってしまい、しかも上田健人の対戦相手は欠場してしまった為、たったの三人で優勝が争われたのだ。う〜ん、そうなると、ちゃんと一回戦で國分直樹(Laughter 7)をチョークスリーパーで下した染谷章太を応援したくなるのは必然だよねぇ、上田には悪いけどさ。


試合開始と同時に組み付いた染谷は、倒れまいと粘る上田に手を焼きつつも、最終的にはロープ際へと追い詰めてテイクダウンに成功。上田はリバースを試みるも、その際の攻防で待っていたのは染谷の腕十字。これが極まって上田がタップ、試合は終了。


う〜む、なんともアッサリと決着がついたねぇ。正直、あまりにも試合時間が短くて印象は薄いんだけど、二試合とも一本勝ちなのだから染谷の実力は抜けているのだろう。最近はどの団体も重量級の層が薄くて大変だから、染谷にはより一層の活躍の期待したいなぁ。




第二十九試合 「レスリング力」があります

バンタム級(62.0kg) 決勝戦 5分2R
○沼尻健(木口道場)
北郷祐介(和術慧舟會TIGER PLACE)
[1R 1分56秒 TKO]
※グラウンドでのパンチ連打

国士舘大学在学時には、北京五輪の代表選考選手にも選出された(GBRより)」という沼尻は、その突出したレスリング力で対戦相手を圧倒。一回戦では伊藤雄也(和術慧舟會TIGER PLACE)をスピニング・チョークで葬り、準決勝でも小島壮太(吉田道場)を、危なげのない展開からグラウンドでのパンチ連打で圧勝。その異様なレスリング力は、修斗世界フェザー級王者の上田将勝を彷彿させる。んで、二人の関連性が気になって調べてみたら、上田も国士舘大学出身なのね。道理で似ているワケだ。


沼尻の決勝戦の相手は北郷祐介。PANCRASEの常連、久松勇二も所属するTIGER PLACEの選手で打撃を得意としているようだったが…。いざ試合が始まれば、やはり沼尻がその突出したレスリング力で圧倒。スピーディーなタックルでアッサリとテイクダウンを奪った沼尻は、北郷に何もさせないままパスガードに成功し、上からパンチを落としながらスピニング・チョークを極めに行く。う〜ん、強いなぁ。



このチョークは北郷に逃げられたが、沼尻は尚も上のポジションをキープすると、亀になって逃げようとする北郷の上に乗って、横から顔面にパンチを連打。嫌がる北郷が体勢を崩すと、沼尻はマウントの体勢へと移行。強烈なパンチを連打する沼尻、抵抗できない北郷の様子を見たレフェリーが試合を止めた。



う〜ん、これは強いなぁ。下地にあるものが物凄くシッカリとしている、というかねぇ。沼尻健の名前はシッカリと覚えておこう。




第三十試合 「極め」があります

フェザー級(65.8kg) 決勝戦 5分2R
○手塚基伸(総合格闘技道場コブラ会)
●中村好史(マッハ道場)
[1R 2分2秒 三角絞め]

モヒカン刈りの手塚基伸は、ちょっと頼りがない感じがする細身の体形。だが一回戦では青山祐大(ALLIANCE)を腕十字固めで下し、そして準決勝戦では石川良如(PANCRASE P's LAB東京)の打撃や寝技に苦戦しながらも膝十字固めで逆転勝ち。う〜ん、準決勝戦の試合展開って、本来はPANCRASEの選手がやるべきフィニッシュだと思うんだが…。


そんな手塚が決勝戦で闘った中村好史は、いかにも「レスリングをベースにしてます!」という感じのゴツイ体形で、僕は「こりゃ、中村が勝つな」と思っていた。そして試合では、僕の予想通りに手塚は蹴り足を掴まれてテイクダウンを許してしまう。

僕は「あぁ、手塚には厳しい展開だなぁ」と思っていたが、手塚は下から上半身を起こして抵抗すると、パンチを落とそうと前のめりになる中村を捕らえて、そのまま三角絞めの体勢へ移行。中村は時間を掛けて脱出を試みるも、手塚は下からパンチを入れて逃がさない。結局、この三角が極まって中村はタップ。おおっと、この展開は予想できなかった。



う〜ん、手塚は穴も多いように思うけど「極めの強さ」を持っているのはいいね。それにしても、VALKYRIEでハッピー福子を観た時も思ったんだけど、コブラ会の選手は他のテクニックはイマイチだけど、際の攻防と極めの強さを持っているよなぁ。でもよく考えたら、花澤大介13もコブラ会の所属だよなぁ…。僕の気のせいなのかなぁ…。




雑感

フラリと会場に来て2500円で生観戦した割には、結構いいものが観れたなぁ。各階級で優勝した選手が皆、闘い方はまったく違うのに全員オール一本勝ちを果たしているのも素晴らしい。そして、それを2500円で観戦できたのは、もっと素晴らしいなぁ。

僕が特にいいと思ったのは、バンタム級の沼尻。下地の強さを感じたので、彼ならすぐにでも外国人選手の強豪とも互角に闘えるだろう。今後の彼の試合は注視していきたいね。



以上、長文失礼。



おまけ

石川良如(PANCRASE P's LAB東京)のセコンドとして来ていた北岡悟を盗撮。こういう小さい大会でもセコンドとして顔を出すのは、彼の知られざる「良い所」だったりするんだよね。





同じ日には、DDT後楽園ホールで興行をやってました

尚、この日観戦したDDT後楽園ホール興行の観戦記についてはコチラを参照。