6/17 新日本プロレス後楽園ホール興行(地上波) 一試合のみ簡易観戦記

Mask_Takakura2007-06-18

DRAGON GATEを「脱北」したミラノが、新日本プロレスの至宝に挑む!

かつてはオーエン・ハートクリス・ベノワエディ・ゲレロ、ドクトル・ワグナーJr.といった名優たちが活躍し、幾多のインディーのジュニア戦士をスターへと押し上げた新日本プロレスの名物企画、Best of the SUPER Jr.。正直、その全盛期と比べると最近は影が薄くなってしまったが、僕は今年の「ジュニアの祭典」は密かに注目していた。

その理由は非常に簡単。現在、DRAGON GATEで活躍中のB×Bハルクと、そのDRAGON GATEの事を「脱北した」と公言するミラノコレクションA.T.が、同時にトーナメントへの出場を果たしていたからだ。「おおっ、よくもまあDRAGON GATEは、このニアミスを許可したなぁ」とか思っていたのだが、さすがに直接対決はなかった。チッ、つまらん。


んで、このトーナメントの決勝へ進出したのは、新日本の生え抜きである井上亘と、外様のミラノ。おお、ミラノはまだ新日本プロレスに上がるようになってから一年も経っていないのに、もうここまで来ちゃったのかぁ。…とはいえライバルの近藤修司は、既に全日本で確固たる地位を築いている。肩書きの上でも差がついてしまっている以上…今回、ミラノが優勝する事は「絶対条件」だった気がするね。


ってなワケで、久々に「ワールド・プロレスリング」を録画して観戦してみた。う〜ん、越中の件といい、今年の新日本プロレスは妙に僕のツボを押さえてくるな。


ちなみに、Best of the SUPER Jr.といえば、やっぱりこの曲。

Newton 「Sky High

僕はオリジナルよりも、こっちの方が好き。いいアレンジだよね。

第七試合 ミラノが「格の違い」を見せつけた!

シングルマッチ 時間無制限1本勝負
○ミラノコレクションA.T.(183cm/95kg/フリー)
井上亘(180cm/95kg)
[19分37秒 ヴィクトリア・ミラネーゼ(抱え式バックドロップホールド)]

ふ〜ん。新日本プロレスでも、ミラノは特にファイトスタイルを変えずに試合をしているんだなぁ。まさか「ストロング・スタイル」を標榜するリングで、ロープ・パラダイスのような「ふざけた技」が決まるとは思わなかったよ。時代も変わったもんだねぇ。


序盤はさり気なくジャベを連発し、エンポリオ・アルマニッシュで華麗に宙を舞い、雪崩式ダイアモンドカッターで大ダメージを与えるミラノ。井上はジャーマン・スープレックスやスタガリンブローで反撃するも…、全体的に攻撃がもっさりしていて今一つ華がない。

シャイニング・ケンカキックで流れを引き戻したミラノは、鮮やかなトラースキックで井上のアゴを蹴り、必殺ヴィクトリア・ミラネーゼを決めるもカウントは2。虎の子の必殺技をクリアされて動揺するミラノに、井上はトライアングルランサーを決めるも、これはミラノがクリア。お互いに必殺技を繰り出しても決まらない、という展開の中、ミラノはアルマニッシュ・エクスチェンジを決め、最後は二度目のヴィクトリア・ミラネーゼ。今年のBest of the SUPER Jr.は、ミラノの「初出場にして初優勝」という快挙で幕を閉じた。


う〜ん。僕があんまり井上という選手の事を知らないのもあるんだけど、井上とミラノの間にはかなりの「力の差」を感じた。ぶっちゃけ、井上はまだまだ「試合を作れる選手」ではないように見えたよ。ま、新日本としては新しい力を売り出したいのかもしれないけど…正直、決勝のこの試合はすぐにミラノの優勝が見えちゃったなぁ。


ちなみにミラノの優勝後のコメントは「でもなぁ、知ってるぞ!半分以上は、『ワタルぅ!』って応援してただろっ!」だとさ。いかにも、会場の空気を読みながら喋る闘龍門出身の選手らしいコメントだな。

そしてこの後、試合後の優勝インタビューは後楽園ホールの外で行なわれたらしいんだけど…。なんでもこの日は東京ドームでジャニーズのコンサートがあったらしく、コンサート帰りの婦女子がミラノの姿を見てキャーキャー言っていたらしい。う〜ん、実はBest of the SUPER Jr.優勝の肩書きよりも、彼が二枚目だという事を裏付けるこっちのエピソードの方が、彼にとって勲章かもしれんな(笑)。

雑感

意外にアッサリと、新日本プロレスの至宝の一つを手に入れたミラノ。格下の外様に対しては、どこまでも渋チンな印象のある新日本が至宝を手渡すあたり、新日本としても彼への期待度は高いのだろう。って事は、もうしばらくは新日本プロレスに留まるのかな。う〜ん、近藤修司戦が実現するのはいつの日になるやら…。ま、僕は何年でも待つつもりだけどね。


以上、長文失礼。



一方、ライバルの近藤修司は…

全日本プロレス ジュニアヘビー級リーグ優勝決定戦

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/2007/2007070101/5.html


全日本プロレスの夏の「新・風物詩」となったジュニアヘビー級リーグに出場した近藤修司だが、リーグ戦では王座戦で敗れた中嶋勝彦にリベンジを果たすも、決勝戦では「TNAからの刺客」クリス・セイビンに敗北。


う〜ん、勝てば「DRAGON GATEの脱北組が、新日本プロレス全日本プロレスのジュニアの頂に立つ」という、なかなか痛快な展開になったんだが、なかなか上手い話はないもんだな。