11/19 全日本プロレス 後楽園ホール興行「世界最強タッグ決定リーグ戦」 観戦記

Mask_Takakura2006-11-19


今回の観戦の動機はかなりバカな理由です

本日は後楽園ホール全日本プロレスを観戦。


今日の全日本プロレスの内容は、年末の風物詩である世界最強タッグ決定リーグ戦の開幕戦だ。しかし今回のタッグリーグ戦は、昨年におけるチーム3Dのような「大きな目玉」が存在しないので、僕としては「あまり興味はない」というのが本音だった。

しかし、昔は熱心に全日本プロレスを観戦していたのに最近はDDTにばかり夢中になっているPON君(id:pon-taro)に、今回の世界最強タッグ決定リーグ戦の魅力を探しながら説明しているうちに…。まあ何というか、自分自身が観たくなってしまったんですねぇコレが。「ミイラ取りがミイラになる」、我ながらアホだな。


チケットを購入、今日は立見席(2500円)しか売っていなかった。パンフレットについては、今回はなんとなく購入を控えた。観客の入りは超満員、「世界最強タッグ決定リーグ戦」のブランド力の成せるワザだね。


※尚、今回はいつものように試合の経過を細かくは書きません。気になる人はスポナビの記事で補完してね。

オープニングはVOODOO-MURDER:Sタイム

オープニングはVOODOO-MURDER:Sタイム。総出で出演するVOODOO-MURDER:Sに観客はブーイング。まずマイクを握ったのは"brother"YASSHI、観客を見て「今日は超満員やのう。どういうこっちゃ?」と不満をこぼし、「今回の世界最強タッグ、何で浜松が最終戦やねん!」と東京人の気持ちを代弁。これには観客も大爆笑。

続いてマイクを握ったTARUは「最近は色々な団体に出たなぁ。新日本、ハッスル、あとはNOAHか。まあNOAHの観客もカスだが、一番のカスはお前ら全日本プロレスの客だな」。当然ながら観客は大ブーイング。

う〜ん、TAKAみちのくのマイクと違って、VOODOO-MURDER:Sの場合は観客を罵倒して落とさなきゃならんからなぁ。かといって、このままじゃRO&Dタイムを超える事はできないだろうし…、難しいところだね。

第一試合 いつもの荒谷さん劇場

タッグマッチ 30分一本勝負
 渕正信(183cm/105kg)
平井伸和(185cm/110kg)
vs
 荒谷望誉(185cm/120kg)
雷陣明(183cm/105kg)
[5分42秒 片エビ固め]
※ロックボトム

第一試合はいつもの荒谷さん劇場。


渕や平井に何度もコーナーに頭を打ち付けられる荒谷さん。見方のハズの雷陣にまで頭突きの連打を喰らってしまう荒谷さん。特に大きな展開もなく、最後は雷陣が平井のロックボトムを喰らって3カウント。雷陣はカットに入ってこない荒谷さんに頭突き。

またしてもリングに取り残される荒谷さん、流れてきたのはいつもの曲。

元祖天才バカボンED「元祖天才バカボンの春」


ま、第一試合はこんなモンでしょうな。「♪ああぁ〜、飽きもせずぅ〜、よくやる〜ねっ!」って、コレはいしいひさいちか。赤塚不二夫ネタは直撃世代じゃないから今一つ思い浮かばん。

第二試合 なんだか知らんが面白いな

シングルマッチ 30分一本勝負
HII(身長不明/体重不明)
マスタードン(身長不明/体重不明)
[1分42秒 エビ固め]
※スワンダイブ式高速ウラカンラナ

この試合は何故かナレーションからスタート。それによると、AHIIAHII王国の王子様だったらしい。「暗黒スパイシー軍団」の手術で改造人間に変身させられたAHII、今回からは「暗黒スパイシー軍団」のホットット大佐が送り込む怪人と闘う事になるようだ。

…どこぞの仮面ヒーローの丸パクリじゃねぇか。ま、煮詰まりつつあったAHII路線に新境地が開拓される事はいい事だね。


で、ホットット大佐がこの試合に送り込んで来たのは、体のデカい怪人マスタードン。試合開始と同時にボディプレスでAHIIを圧殺するマスタードンだったが、必殺技であるスワンダイブ式高速ウラカンラナを喰らうとアッサリと3カウントを奪われた。悔しがるホットット大佐、AHIIは囚われの身だった専属ダンサーと共にダンスを披露。


とにかく試合があっという間で愕然としたが…ま、これはこれで結構面白そうな感じ。この先、AHII劇場に他のレスラーがどのように絡んでいくかが見物だな。

世界最強タッグ決定リーグ戦 選手入場式

会場内にお馴染み「オリンピア」が流れる中、世界最強タッグ決定リーグ戦の入場式が行われた。オリンピアを聴くと冬の到来を感じる僕は全日本プロレスファンだと思う。


■世界最強タッグ決定リーグ戦 出場チーム
武藤敬司(188cm/110kg)
川田利明(183cm/105kg/フリー)


小島聡(183cm/112kg)
天山広吉(183cm/115kg/新日本プロレス/GBH)


太陽ケア(185cm/106kg/アメリカ)
TAKAみちのく(175cm/90kg/KAIENTAI-DOJO)


鈴木みのる(178cm/102kg/PANCRASE MISSION/みのる軍団(仮)/三冠ヘビー級 王者)
NOSAWA論外(180cm/87kg/フリー/みのる軍団(仮))


カズ・ハヤシ(173cm/83kg)
中嶋勝彦(175cm/82kg/健介オフィス)


諏訪魔(188cm/120kg/VOODOO-MURDER:S)
RO’Z(196cm/163kg/アメリカ/VOODOO-MURDER:S)


ディーロ・ブラウン(185cm/138kg/アメリカ/VOODOO-MURDER:S)
ブキャナン(197cm/140kg/カナダ/VOODOO-MURDER:S)


入場式ではみのると小島がやりあい、そこへ天山が絡んでいた。今シリーズの伏線かねぇ?それにしてもVOODOO-MURDER:Sの2チームはデカい。思っていた以上に外国人枠を埋めている感じ。

第三試合 後述するが、当初の予定通りこれがメインになるべきだったような…

六人タッグマッチ 30分一本勝負
武藤敬司(188cm/110kg)
 土方隆司(175cm/95kg)
 菊タロー(167cm/96kg/フリー)
vs
 TARU(185cm/100kg/フリー/VOODOO-MURDER:S)
 近藤修司(173cm/103kg/El Dorado/VOODOO-MURDER:S/世界ジュニアヘビー級 王者)
●“brother”YASSHI(173cm/80kg/El Dorado/VOODOO-MURDER:S)
[14分50秒 体固め]
シャイニングウィザード

この試合、本来は今日のメインイベントになる予定だったカード。理由はわからんが、直前になって変更があったらしい。


試合は武藤 vs 近藤でスタート。序盤戦なのに武藤をリフトアップする近藤に歓声が集まる。試合は進んで、この中では圧倒的に体格に劣る菊タローVOODOO-MURDER:Sに捕まる。マスクは脱がされそうになり、股間TARUカカト落としを喰らう菊タロー。踏んだり蹴ったりだが何とか脱出に成功。

全日本軍が猛反撃。武藤のドラゴンスクリュー連発、土方のキック連打の後、菊タローは突如マスクを脱いだ。そこにいたのは「真っ赤な顔で怒った菊タロー」。敢然とVOODOO-MURDER:Sに立ち向かい、華麗なるヘッドスプリングエルボーで宙を舞い、シャイニングザードでTARUを蹴り飛ばす菊タローに観客は大歓声。最後は武藤の伝家の宝刀、シャイニングウィザードがYASSHIに決まってカウント3を奪取。


う〜ん、「パッケージプロレス」らしい展開だねぇ。最初の予定ではメインだったこのカード、「世界最強タッグの公式戦を押しのけてのメインなのだから、ただの六人タッグにはならないだろう…」と思っていたけど、怒りの菊タローは読めなかった。やや子供っぽいギミックではあるけど、今の全日本プロレスは観客を喜ばせるのが上手いなぁ。

ついに、あの男が復活

休憩前には佐々木健介が登場、来年1月2日に復帰する事を宣言。観客は大歓声。「今日は遠くまで、お客さんの顔が見えますっ!」と絶叫するあたり、目の方は大丈夫そうだな。一安心。

第四試合 まずはハッピーエンドで

世界最強タッグ決定リーグ戦 公式戦 30分一本勝負
太陽ケア(185cm/106kg/アメリカ)
 TAKAみちのく(175cm/90kg/KAIENTAI-DOJO)
vs
ディーロ・ブラウン(185cm/138kg/アメリカ/VOODOO-MURDER:S)
 ブキャナン(197cm/140kg/カナダ/VOODOO-MURDER:S)
[14分11秒 横入り式エビ固め]

ここからは「世界最強タッグ決定リーグ戦」。年末の風物詩がこの試合から始まる。


で、この試合はお馴染み「元RO&Dメンバー同士による対戦」なのだが、この中では体格で劣るTAKAが不利なのは歴然。ケブラーダで華麗に宙を舞ったTAKAではあったが、やがてディーロ&ブキャナンに捕まった。体格差に任せて圧倒的なパワーで攻め込むディーロ&ブキャナン、どうにかタッチを受けたケアまでもが彼等の連携に捕まってしまう。そうかぁ、二人ともケアよりデカいんだよなぁ。

それでも奮闘するTAKA&ケア。TAKAは気合でディーロにみちのくドライバーを決めると、最後はスクールボーイで丸め込んで逆転勝ち。思わぬハッピーエンドに観客からは大歓声が沸いた。


…とはいえ、全体的にはディーロとブキャナンの力強さが印象に残った。

普段はあまり目立たないけど、この二人はいいコンビだねぇ。RO&D時代は茶目っ気がクローズアップされる事の多かったディーロだけど、VOODOO-MURDER:S入りしてからはキッチリと悪役をこなしている事に好感が持てるね。客とのやりとりも慣れたものだったし。

ブキャナンにしても今の用心棒のような風貌が合っているし、二人ともVOODOO-MURDER:S入りは正解だったんじゃないのかな。

第五試合 またまたハッピーエンド

世界最強タッグ決定リーグ戦 公式戦 30分一本勝負
 カズ・ハヤシ(173cm/83kg)
中嶋勝彦(175cm/82kg/健介オフィス)
vs
 鈴木みのる(178cm/102kg/PANCRASE MISSION/みのる軍団(仮)/三冠ヘビー級 王者)
●NOSAWA論外(180cm/87kg/フリー/みのる軍団(仮))
[18分55秒 ジャーマンスープレックスホールド]

鈴木の体格だけが抜きん出ているこの試合、いつでもシラケない試合振りを見せるハヤシ&中嶋とみのるのスカシっぷりがガッチリ噛み合った好勝負となった。


真正面からみのるを蹴っていく中嶋、みのるを相手に真正面から闘おうとするハヤシ。観ていてなかなかに清々しい光景ではあるが…やはりみのるは百戦錬磨、やがて試合の主導権を握る。二人まとめて関節技で絞め上げるみのる&論外、連携もバッチリな二人を観た観客がハヤシ組の敗北を覚悟する。

ところが、このままで終わらないのが今の全日本プロレス。フィニッシュムーブの際、勝利を確信したみのるはエプロンでハヤシをスリーパーで絞め上げるも、パートナーの論外が中嶋に逆転を許してしまう。中嶋謹製、二段式のジャーマンジャーマンスープレックスホールドがガツンと決まってカウント3。観客は大歓声、唖然とするみのるを他所にハヤシと中嶋は抱きあい喜んでいた。


第四試合と同じような手法を、第五試合にも適用してきたのは意外だったなぁ。まあ観客はハッピーエンドが続いて気分はいいだろうけど、あんまり連発すると飽きられるし、強力タッグの品位が落ちてしまう気がするんだがなぁ。

第六試合 今日はこの試合が締まらなかった

世界最強タッグ決定リーグ戦 公式戦 30分一本勝負
小島聡(183cm/112kg)
天山広吉(183cm/115kg/新日本プロレス/GBH)
vs
諏訪魔(188cm/120kg/VOODOO-MURDER:S)
△RO’Z(196cm/163kg/アメリカ/VOODOO-MURDER:S)
[時間切れ]

本日のメインイベントは、テンコジタッグの復活。天山の入場の際、観客からは歓声が沸いていた…が、心からの大歓声って感じではなかったなぁ。僕は正直、あんまりこの二人のタッグに思い入れがないからピンと来ないんだよね。多分、観客の大多数もそんな感じなんじゃないかなぁ。


序盤からいきなり諏訪魔に捕まる小島。この展開がタッチも行われずに10分以上も続けば、いかなるプロレス素人でもこの試合が「『時間切れ引き分け』への道」を歩んでいた事は想像できたと思う。この後も試合の主幹を担ったのは小島と諏訪魔だったが、その内容は「消化不良のまま時間だけが過ぎ、結局は時間切れ引き分け」って感じの展開となった。


この試合の主役であるテンコジの連携は僅かに飛び出したものの、観客はこの二人に何かを期待する雰囲気ではなかったと思う。そしてそれは、天山に対する期待感の薄さでもあったとも言える。頭突きやモンゴリアンチョップを出すときに「シューッ!」と言いたいだけの観客。四冠戦の脱水症状事件以来、あんまり信用されてないのかねぇ。

また、この試合で残念だったのは…僕が期待を寄せていたRO’Zがまったく仕事をしなかった事、そしてセコンドについていたTARU、近藤、YASSHIといったVOODOO-MURDER:Sの連中までもが仕事をしなかった事だろう。観客が盛り上がっていないのは分かっていたんだから、もっと強引な介入を繰り返せばよかったのになぁ。


ハッキリ言って、この試合をメインにしたのは失敗だね。これなら予定通りに第三試合がメインの方が良かったと思う。試合終了と同時に観客が足早に帰っていったのが、この試合のすべてだろうね。

雑感

随所に面白い場面はあったんだけど、メインがコケたせいで「全体的にはイマイチ」って印象を持った。テンコジタッグが全日本プロレスが期待する程のブランド力を発揮しなかったのが原因だな。ま、長いリーグ戦はまだまだ始まったばかり。今週木曜日にはもう一度、後楽園ホールで開催するみたいだし…リベンジを期待しますかね。


以上、長文失礼。